東京イクメン日記

第一子誕生のタイミングで半年間の育休を取って



妊婦さんには腸閉塞と合併する「臍帯潰瘍出血」という病気を頭の片隅に入れておいてもらいたい

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我が家は娘を広尾の日赤医療センターで出産しました。

そもそも奥さんが「自分も若くないし、何かあったときにちゃんとNICUがあって対応してくれる病院で出産したい」という希望で日赤を選びました。その時住んでいた家からは1時間近くかかるところにあったので、決して便利ではなかったのですが、その時の選択をして本当に良かったなぁと何度も思いました。というのも娘が生まれた時にはいろいろ大変な出来事があったからです。

腸閉塞などと併発しやすい臍帯潰瘍出血

臍帯潰瘍出血(さいたいかいようしゅっけつ)というのは、腸閉塞などになった赤ちゃんに起こる可能性が高い病気です。どういう病気かというと、臍帯(へその緒)から出血するという病気です。出血は一気に大量に出血することが多く、出血した場合には短時間で赤ちゃんが失血死してしまうことが非常に多いそうです。こう聞くととても怖い病気ですが、発生頻度自体は少ないようです。へその緒が溶けて出血して死んでしまうこともあるなんて、全然知らなかったですし、そもそも出産したお母さんでも知らない方がほとんどだと思います。

先ほど少しGoogle検索してみましたが、「臍帯潰瘍出血」でヒットするのは17600件だけでした。だいぶ少ないですね。

臍帯潰瘍出血に関する詳しい情報はこちらにかいてあります。
http://www.med.jrc.or.jp/hospital/clinic/tabid/213/Default.aspx


さて、娘の出産は予定日の一か月前くらいに突然やってきました。それまで早産の兆候も何もなかったのでとても驚きましたが、病院に駆け込んで診察を受けるとそれ以上の衝撃が待っていました。娘は腸閉塞の可能性が高いと診断されたのです。その前の検診で可能性はあるということを告げられていましたが、気が動転しているところに言われるとその言葉はさらに重くのしかかってきます。腸閉塞の場合、生まれてみないと本当のところどういう状態かが詳細にはわかりません。幸せな気持ちから一気に叩き落される感覚でした。

さらに追い打ちをかけるように

「娘さんのへその緒は少し溶けてきているかもしれません。」

赤ちゃんは通常羊水を少し飲んでいて、何もなければそのまま排泄されたり吸収されたりするのですが、腸閉塞の場合には腸の途中でそれが止まってしまうため、飲みすぎるとどこかで羊水を吐き出してしまうそうです。この時、胃酸を含んで羊水を吐き出すため、羊水中の酸性度が高くなるようです。これが臍帯を溶かす原因なのではないかと考えられています。「考えられています」というのは、実は臍帯潰瘍の発生するメカニズムはちゃんと解明されていないからです。今までの症例を見ると腸閉塞の赤ちゃんで起こっている確率が非常に高いため、そうではないかと考えられています。

うちの娘もそんな赤ちゃんの1人です。

娘はまだ予定日まで1か月あるので、できればお腹にとどめておきたい。でも臍帯から出血したら命を落とす可能性が高い。その狭間で激しく揺さぶられました。結局最後は、命を落とすリスクを最小限にとどめるという選択をして、娘は2000グラムくらいの体重でしたが帝王切開で出産することにしました。


生まれてみると出血は見られず、ひとまず臍帯からの出血は免れました。この後、腸閉塞の手術を行い、運が良いことに無事に根治することができ、現在まで元気に暮らしています。



日赤の中原先生は臍帯潰瘍出血を研究されているようです

さて、そんな娘もすくすく育ち、今日は日赤で10か月の検診でした。そこである冊子を目にしました。
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これは日赤医療センターが発行している情報誌です。この冊子の中で娘を担当してくださった小児外科副部長の中原さおり先生の記事がありました。テーマはまさに臍帯潰瘍出血。出産のときは知らなかったのですが、日赤では小児外科・産婦人科・新生児科・病理部・検査部が共同で臍帯潰瘍出血に関しての研究をしているそうです。そんな専門医に運よく当たったうちの娘。とても幸運だったと思います。

臍帯潰瘍出血はそもそもそんなに発生する人数は多くないですが、出血してしまうと死に至る率が非常に高い病気です。そもそも腸閉塞事態が5000人に1人と言われている中で、その中でも一部の赤ちゃんだけがなるため、情報自体があまりありません。なかなか診断も難しく、進行も一定のスピードではなく、突然溶けたりということもあるそうなので、わかったときには一刻を争う状態となっていることもあるそうです。なかなかセカンドオピニオンとして話を聞くということは難しいかもしれませんが、もしどなたかの赤ちゃんが臍帯潰瘍出血の可能性があると診断された時には、日赤の中原先生の名前を思い出してもらえるとよいことがあるかもしれないと思い、ブログに書いた次第です。