東京イクメン日記

第一子誕生のタイミングで半年間の育休を取って



「卓球界の革命児」伊藤美誠を育てた「暗黙のルール」で縛らない育成法

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今大会は金メダルこそなりませんでしたが、男女ともに卓球は活躍を見せてくれています。

女子は最後の最後、団体戦という舞台で、見事銅メダルを取ってくれました。この4年間非常に苦しい時間を過ごしてきた福原選手の涙と同じくらい、伊藤美誠選手の笑顔が印象的でしたね。

どこか堂々としていちばん落ち着いているような雰囲気の伊藤美誠選手。そんな伊藤美誠選手はどうやって育ったのかということに非常に興味があったのですが、今日Yahoo!ニュースで記事を見つけました。

rio.headlines.yahoo.co.jp

何が伊藤美誠選手を作ったのか

あの雰囲気は普通の子ではないというのはすぐにわかりましたが、そんな彼女を育てたのが、現在、伊藤美誠選手が所属する関西卓球アカデミーだそうです。

関西卓球アカデミーは、2012年5月に、女子日本代表の村上恭和監督がプロデュースし、大阪市北区に創設した私塾です。世界最強の「打倒中国」を目標に掲げています。トップスクール生には伊藤美誠を含め、13選手が在籍していて、日本代表経験がある森さくら(日本生命)を輩出したことでも有名です。親の練習介入や、専任コーチをつけることも認めていて、合理的なことは取り入れる、という印象です。

記事に書かれている下記の文が、まさに伊藤美誠選手を育てた方法と言っても過言ではないと思います。

練習を始めて、大内さんはすぐに気付いた。卓球は練習中に相手を重んじる風潮がある。一定のコースでラリーをしている時にはコースを変えない、という暗黙のルールがあった。しかし、伊藤はチャンスボールが来れば容赦なく決めにいった。まるで試合中と勘違いしているのではないかと周りが疑うほど入り込んでいた。

 大内さんは「40数年間指導者をしているけど、こんな子は初めてだった」。練習相手の生徒たちには「バカにされている」と思わず泣きだす子もいた。大内さんは「合宿に行っても、みんな『美誠はラリーしてくれない』と一緒に練習したがらなかった。私も最初は注意しようかと思った。でも、これが伊藤美誠なんだと思って、子どもたちに『美誠はバカにしているんじゃない。真剣なんだ』と話をしました」。


おそらく伊藤美誠選手にとっては練習といっても真剣勝負なんでしょうね。練習だからラリーを続け「なければいけない」というのは、確かに同じ時間の中でたくさんラリーを打つという観点では効率的かもしれませんが、試合の時に必要になる判断や、決める力を磨くという観点では、むしろ伊藤美誠選手の練習への取り組み方のほうが効率的です。

友達が泣きだしても、練習で嫌がられても、伊藤は全く気にしていなかった。むしろ、ニコニコ練習を続けた。大内さんは「美誠が試合で勝ちだして、全国から指導者がどんな練習をしているか見に来た。でも、ヘラヘラ笑いながら練習をしているからよく勘違いされていた。美乃りさん(伊藤の母)が他の指導者から『どんな教育してるんだ』と怒られていたみたい」。

ヘラヘラ笑いながら、というところが伊藤美誠選手らしさだと思いますが、練習のときに必要以上に緊張したり気負ったりしないで、自然体で取り組んでいるんでしょうね。普段からラリーに入った時のオン・オフの切り替えがスムーズにできて、自分の実力をそのまま出せるような状態なんだと思います。

特に日本では重視される「暗黙のルール」

この話をきいて、村上恭和監督は本当に選手一人一人の特性を見ているんだなぁと思いました。日本社会は暗黙のルールを重視する傾向があります。阿吽の呼吸といわれるように、相手を尊重し、推し量って、合わせる、そんな文化が日本には根付いています。明文化しなくても、それがルールとして成立することで、ある面では効率的に発展してきました。

しかし、それによって天才は生まれにくくなっているという声もありますし、本当にそれがよいのかは、議論されているところです。特にビジネスの世界では、日本的な暗黙マネジメントがよいのか、欧米的な明文化マネジメントがよいのかということがいったりきたりしながら試されています。

和を大事にするという面で見ると、伊藤美誠選手の練習法は「空気が読めない」として、普通の指導者であれば是正されそうです。しかし、村上監督は周りに理解を求め、伊藤美誠選手の長所を活かして育てていきました。

自分の子育てに翻って、そんな対応ができるのかなということが頭をよぎります。

「常識では」とか、「普通は」とか、そんな言葉に巻かれ、子供の可能性の芽を摘んでしまったりしないだろうか。




伊藤選手の笑顔をテレビで見るたびに、成長のためにどんな態度や行動で接するのが最もよいのか、というところを見極める力を、自分も磨いていきたいなぁと思った次第です。